オリジナル企画 ツアーレポート
インドの小中学校視察ツアー(デリー・ジャイプール)
横浜市立小学校の女性校長会メンバーの方達がインドの学校を視察されました。
ITや数学が世界的に有名なインドの教育ですが、現場の環境はどうなのか、日本との違いは何かなど、授業の視察とインドの先生方との活発な意見交換会を行った視察団の様子をご紹介致します。
2013年8月
①Subodh Public School (スボード・パブリックスクール)― ジャイプール
インドでは、パブリックスクールとは私立学校を指し、公立の学校はガバメントスクールと呼ばれます。公立学校の教育環境は整備が行き届いているとは言い難く、教育に関心の高い家庭では経済的に余裕があればもちろんのこと、そうでない場合も少々無理をしても子供を私立学校に入れるケースが多く見られます。
最初に訪れた学校は、比較的裕福な子供達が通う小中高一貫の私立学校です。
スボード・パブリックスクールはラジャスタン州の州都ジャイプール市の中心部にあります。
1985年創立、教師200人、生徒3500人のかなり大きな学校です。
最初は中高のみでしたが後に小学校が加わり、現在1~12学年までを教えています。
学校に到着。
校長先生自ら、視察団メンバー一人ずつに歓迎のショールをかけて頂きました。
校長先生から歓迎の言葉を頂き、学校に関する説明を受けます。
コンピューターの授業。複数のレベルの生徒が一緒に勉強します。各自が教科書の課題をこなしながら、不明の部分は個別に指導を受けます。
科学の実験室にて。
廊下に張り出された生徒達の作品。終戦記念日(インドでは8月15日が独立記念日)を控えて広島、長崎をテーマにした作品が並べられていました。
先生方と記念撮影。
スボード・パブリックスクールのホームページに、「横浜からの視察団」として写真入りで紹介されています。
www.subodhpublicschool.com/page.php?id=106
現地の新聞にも紹介されました。
校内を一通り案内して頂き、授業の視察の後は、講堂でインドの先生方との意見交換会が開かれました。
双方から様々な質問が飛び交い、予定時間をかなりオーバーして終了しました。
欧米の学校との短期交換留学など、海外の学校との交流実績を持つスボードの先生方は、
「子供達に日本の友人達と接する機会を作りたい。横浜の学校と交流が出来れば大変素晴らしいことです。まずは文通やスカイプなどで子供達がお互いに話をするなどからスタートし、いずれは交換留学なども出来れば」
という希望を熱心に語られました。
地元のテレビ局も取材に訪れ、日本からの視察団への関心の高さが伺えました。
視察団を代表して野木秀子団長がインタビューに答えた様子も放映された模様です。
メンバー一人一人に子供達からの手作りのプレゼントが渡されました。
教科書や授業のカリキュラムを頂き、後日の連絡を約束して視察は終了しました。
② Deepalaya ディーパラヤ - デリー
この学校はスラムに暮らす恵まれない子供達のために、NGOが企業や個人からの寄付を集めて運営している学校です。
数人の生徒で始まった学校は34年を経て、今や7つの地域に校舎を持つ大きな組織になりました。
私達が訪れた校舎は質素ながらも明るい雰囲気に溢れ、子供達の生き生きとした表情が大変印象的でした。
設立当初からここで教鞭を取ってきたシャルマ先生が、とても誇らしく熱心にディーパラヤの説明をしてくれました。
子供達から一人ずつ歓迎を受けます。
クラスごとの授業の風景。
子供たちが歌とダンスを披露してくれました。
子供達のメッセージで埋められた特大のカードを頂きました。
左の女性が、案内をして下さったシャルマ先生。
子供たちと記念撮影
学校の周りに広がるスラム街。
カーストによる差別と貧困層の強烈なイメージが一人歩きするインドですが、実際に両親が教育の重要性を理解せず、子供を学校に行かせたがらない家庭も多い中、意欲のある子供には学ぶ機会が提供されているということ、そして政府の政策が行き届かない中でも民間レベルで貧困層を支援するシステムが存在することに改めてインドの人々の精神とこの国の強さを見た思いがしました。
最後は素敵な笑顔で見送ってくれました。
校門を出た先生方の目には涙が光っていました。
Deepalaya Newsという広報誌。定期的に学校の活動を紹介しています。
【参加者からのコメント】
副島江里子 先生
横浜市立緑園東小学校 校長(ご参加当時)
「楽しい旅をありがとうございました。」
宮本洋子様
このメアドで現地にいる洋子さんに届くかどうかわかりませんが、お礼の気持ちをお伝えしたくてメールを出します。一生、忘れることのできない旅となりました。また、海外旅行好きの私にとってこれからの旅の在り方を考えさせられる旅となりました。今はまだ感じたことを自分が受け止めきれずにおります。インドの風土、歴史、人々、自然・・・ふだんの海外旅行でもふれるさまざまな出来事ですら素晴らしいのに、今の私は、現地でもしなやかにたくましく活躍される洋子さん、従来の旅行業者の考え方を覆す社長さんの生き方にあまりにも大きなインパクトを受け、さらに、現地の子どもたちの瞳の美しさに心を打たれ動揺している自分がいます。
本校の子どもたちにインドの子どもたちの様子をお知らせしてあげたいと思います。 明日、息子が帰省します。洋子さん、社長さんとヴィッキーさんはじめスタッフの皆様、そして一生懸命に学ぶ子どもたちの姿を伝え、これから息子たちや子どもたちが背負っていく時代は、日本が国際社会を背負うとか、海外に通用する日本企業とかの議論ではなく、世界中、どこの国でも、さまざまな国の人々が共に同じ職場で自分たちにできる社会貢献をすることであることを強く伝えていきたいと思います。結局、私が一週間、洋子さんや社長さんから学んだことはそういうことだったのかなと思いますし、私自身は、自分がこれからそのような役割を果たせるかどうか難しいですが、次世代の日本の子どもを、真のコスモポリタン(国際人と言うより気持ちが込めやすいので・・)に育てるために、残された校長職に邁進したいと思っています。横浜でお会いできることを楽しみにしております。お気を付けて、あの後、インドで何をしていたのかまた、教えてくださいね。
横浜市立緑園東小学校 校長 副島 江理子
【同行スタッフより】
副島先生はご帰国後、緑園東小学校の子供達のために、インドで撮られた写真をスライドにまとめ、ご自身の経験や感じたことを交えて、子供達や親御さんに紹介されました。子供達にとっても、海外の学校は日本とは環境が全く異なること、同じ年齢の子供達でもいろいろな生活があること、世界には多様な文化があることなど、視野を広げるきっかけになったことと思います。
これから未来にはばたく小学生に直接接する先生方が、こうして海外の学校視察をされることは非常に意義深いと知りました。
ご参加の先生方にはいろいろな気付きを頂きました。本当にありがとうございました。
インドの小中学校視察 デリー・ジャイプール・アグラ 6泊8日
1日目 成田発、デリーへ
午前 成田からデリーへ
夕刻 デリー着後、ホテルにご案内
*デリー泊 【食事】 朝:× 昼:機内 夕:機内
2日目 デリーからジャイプールへ
午前 専用車でジャイプールへ移動(6時間)
午後 着後ホテルにチェックイン
ローカルマーケット散策など
*ジャイプール泊 【食事】 朝:〇 昼:〇 夕:〇
3日目 ジャイプール
午前 アンベール城観光、象タクシーで入場
学校訪問① 富裕層向けのパブリックスクール
数学・科学・IT教育に力を入れる学校を訪問
インドの教育制度について、先生方や学校職員の方と教育に関する問題点を討議
午後 旧市街ピンクシティ観光
シティパレス、風の宮殿、世界遺産ジャンタルマンタル天文台
夕食時、ラジャスタン民族舞踊を鑑賞
*ジャイプール泊 【食事】 朝:〇 昼:〇 夕:〇
4日目 ジャイプール
午前 地元の女性グループとのミーティング
女性起業家や経営者、組織の管理者として活躍する女性たちとの交流
女性経営者の育成や、仕事と家庭の両立について、などのテーマで意見交換をします。
午後 コーヒーの焙煎工房にご案内、南インドのコーヒー文化を学びます。
フルーツ農園を訪問。ザクロ、バナナ、ブドウ、パパイヤなどの南国のフルーツの栽培を見学します。
ペリヤールへ戻ります。
午後 フリータイム
スパでのマッサージや、ショッピングなどでお楽しみ下さい。
【食事】 朝:〇 昼:〇 夕:〇
5日目 ジャイプールからアグラへ
午前 出発までフリー
午後 専用車でアグラへ(5時間)
*アグラ泊 【食事】 朝:〇 昼:〇 夕:〇
6日目 アグラからデリーへ
午前 タージマハルとアグラ城観光
午後 専用車でデリーへ移動
*デリー泊 【食事】 朝:〇 昼:〇 夕:〇
7日目 デリーより出国
午前 デリー観光
オールドデリーでのリキシャ体験、ジャマ・マスジッド観光
午後 世界遺産クトゥブミナール観光、マーケットでショッピングタイム
夕刻 デリー空港へ移動。デリーより出国
*機中泊 【食事】 朝:〇 昼:〇 夕:機内
8日目 成田着
セレブ・インディアでは幅広い学校視察の手配を行っています。ご希望の場合は、詳細を伺ってから訪問先を選定しアポを取ります。細かい打ち合わせをしながら進めて行きますので、時間に余裕を持ってご相談下さい。