ツアーレポート
デリー・ムンバイ学校視察ツアー 5泊7日
2014年8月
「インドの社会、文化、教育の視察を通して、発展と課題から学ぶ旅」
横浜市立小中学校・女性校長会メンバーのインド・教育現場視察ツアー第2回目。今回は上記のテーマを掲げ、首都デリーに加え、横浜市の姉妹都市であるムンバイを訪問しました。港湾、商業都市として発達した歴史を共有する両都市は1965年に姉妹都市提携を結び、2015年に提携50周年を迎えます。デリーや他の都市とは全く趣を異にする、インド随一の国際都市の雰囲気にも存分に触れて頂きました。
参加者の校長先生方は、多忙なスケジュールを割いて、インドの教育制度についての事前勉強会を開かれました。勉強会の内容をまとめ、旅程や参加者のプロフィールを掲載された小冊子も用意されました。
①ムンバイの学校視察
Anjuman I Islam Urdu School
アンジュマンIイスラム学校は、インド国内では少数派であるイスラムコミュニティーへの教育の普及と社会的地位の向上を目的として1874年にムンバイで設立されました。インドのイスラム人口は全体の約10%を占めていますが経済的に恵まれない層も多く、教育環境も決して充分とは言えない状況です。1つの校舎からスタートしたこの学校は現在では95校を運営する組織となり、幼稚園から大学院まで幅広い教育を実施し、医療、科学技術、経営などの専門分野でも優秀な人材を輩出しています。
今回は、ムンバイの中心部にある小中学校を訪問しました。
コロニアルスタイルの美しい校舎が目を引きます。
最初は女子生徒の数学の授業を視察。教室は男女別でフロアも分かれていますが、男女平等に教育を与えるという学校の理念の下、女子生徒の数が多く、皆熱心に先生の話に聞き入っている姿が印象的でした。
続いて男子生徒のフロアへ。授業の内容を一緒に聞かせて頂きました。授業の合間の休憩時間も、とにかく元気な男子生徒達。
職員室にて、学校についてのブリーフィングと教育問題についての質疑応答や意見交換などを行いました。日本から持参した、文房具や折り紙などのプレゼントを渡し、先方からは子供達の手作りの花と花瓶を頂きました。
その後、校長室でチャイを頂きながらしばし歓談。参加者の質問にも大変丁寧に答えて頂きました。
校庭にて生徒や先生方に見送られて、学校を後にしました。
②デリー首都圏の学校視察 ディーパラヤ グスベティ校
Deepalaya Gusbeti
ディーパラヤは、通学が困難な貧困層の子供達に教育を与える目的で作られたNGOです。1979年に生徒5名でスタートした学校は、今やインド3つの州で7つの校舎を持つ規模になりました。運営費は全額企業や個人からの寄付で賄われています。
昨年の視察団はデリーの校舎を訪れましたが、今年は隣のハリヤナ州にある広々とした高台の地に建てられたグスベティ校を訪問しました。
緑溢れる心地よい空間に、きれいな校舎が並びます。
子供達に赤い粉末のビンディーを額につけてもらい、暖かい歓迎を受ける視察団一行。
教室の様子。この学校では幼稚園から中学生までを教えています。
中央と右の画像はコンピューターの授業と教科書です。
学校からのリクエストで、急きょ、生徒達に折り紙を教えることになりました。お土産として日本から持参した紙に加え、新聞紙も用意して頂きました。生徒達はとても熱心に取り組んでいました。
昼食は、学校の食堂で美味しいカレーを頂きました。
最後に、生徒が歌を披露してくれました。
卒業後は、さらに高等教育に進んだり、職を得て立派に社会に羽ばたいていく子供達。
しかし、このように充実した環境で勉強できる子供達はまだほんの一部です。ディーパラヤでは、子供を学校に行かせる必要を認識していない低所得層の親達への意識変革活動にも力を入れています。
科学技術の高等教育では世界最先端を行くインド。政府による国民すべての義務教育が行き渡る日が一日も早く訪れることを祈るばかりですが、こうした地道な活動を続ける多くの民間団体によってインドの社会が成り立っていることを痛感させられます。
●ムンバイ日本人学校 根本校長との食事会
今回のツアーでは、ムンバイの日本人学校の訪問案も出ていました。しかし、酷暑期である5~7月初めに夏休みを取るインドの学校と違い、日本人学校は日本と同じ8月が夏休みです。そのため、残念ながら学校訪問は叶いませんでしたが、校長を務められる根本先生を囲んでの食事会を行うことができました。根本先生は横浜市立小中学校校長会のご出身ということで、ツアー参加者とも話がはずみ、貴重な現地情報やインドならではの苦労話などを伺いました。
●視察の合間に観光も
ツアーの最後を飾るのは、恒例イベントとなった、サリーを着てのタージマハール訪問!
ホテルで着付けをお願いして、美しいロビーを背景に記念の一枚。
そしてタージマハルヘ。カラフルな一団は、インド人を含めた他の観光客の注目の的となりました。
【キャリア研究会で報告会を実施】
ツアーの団長を務められた野木秀子・元横浜市教育委員は、キャリア研究会という女性のネットワーク作りのための会を主催されています。キャリア研究会の定例会でもインドツアー報告をさせて頂きました。昨年同様、参加者はサリーを来て登場し、ツアーの報告を行いました。
ホームページに詳しい内容が掲載されていますので、ぜひご覧ください。
career-r.com/history/20140903.html
地図
インドの小中学校視察 デリー・アグラ・ムンバイ 5泊7日
1日目 成田発、デリーへ
午前 成田空港からデリーへ(約9時間半)
夕刻 着後、専用車にてホテルにご案内、ホテルにて夕食
*デリー泊 【食事】 朝:× 昼:機内 夕:〇
2日目 デリーからムンバイへ
午前 国内線にてムンバイへ
着後、レストランで昼食
午後 ムンバイ市内観光
世界遺産ビクトリア・ターミナス駅、プリンスオブウェールズ博物館、インド門
ガンジーの住居跡マニ・バワン
ホテルにチェックイン、レストランにて中華料理の夕食
*ムンバイ泊 【食事】 朝:〇 昼:〇 夕:〇
3日目 ムンバイ
午前 世界遺産エレファンタ島へご案内、石窟寺院観光
午後 ジェトロ・ムンバイ事務所にて、インド一般経済と労務管理のセミナー
ショッピングモールでフリータイム
ホテルにて夕食。日本語学校校長先生合流
*ムンバイ泊 【食事】 朝:〇 昼:〇 夕:〇
4日目 ムンバイからデリーへ
午前 ムンバイのパブリックスクール訪問(学校訪問①)
午後 空中庭園などを見学
国内線にてデリーへ
*デリー泊 【食事】 朝:〇 昼:〇 夕:〇
5日目 デリーからアグラへ
午前 デリー郊外のNGOが運営する、貧困家庭の子供達の学校視察(学校訪問②)
午後 専用車でアグラへ
*アグラ泊 【食事】 朝:〇 昼:〇 夕:〇
6日目 アグラからデリーへ、デリーより出国
午前 タージマハルとアグラ城観光
午後 デリーに戻り、空港へ。夜便で出国
*機中泊 【食事】 朝:〇 昼:〇 夕:機内
7日目 成田着
セレブ・インディアでは幅広い学校視察の手配を行っています。ご希望の場合は、詳細を伺ってから訪問先を選定しアポを取ります。細かい打ち合わせをしながら進めて行きますので、時間に余裕を持ってご相談下さい。